「外出困難者のウェルビーイングについて」令和6年9月定例会より

「議員って、議会がない日はどんなことをしているの?」とよく聞かれます。
確かに、議員の仕事は外からは見えにくいことが多いですよね。私自身も議員になる前は、具体的に何をしているのか気になっていました。議会がない日でも、市役所で市民の方のご相談に対応したり、次回の定例会に向けた準備や課題の整理も行っています。
こうした日々の活動から得た課題解決の提案も行っていますので、ぜひ11月の定例会にもご感心をお寄せいだけましたら幸いです。11月定例会は今月末から始まりますので、皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。
また、本日は今週末の若者ミライ議会の最終打ち合わせ
11月9日(土曜日)午後2時から那覇市役所本庁舎4階で行われる「那覇市若者ミライ議会」。大学生の新しい視点がたくさん詰まった議会になると思いますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
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美容を通じて、心もほぐれる
外出することが難しい高齢者や障がい者が日常的に適切な美容サービスを受けることにより生活の質の向上が期待されると考えるが以下伺う
(1) そのニーズを把握しているのか伺う

急速に進展する高齢化社会において、在宅介護や介護老人施設における高齢者への理・美容サービスの需要がますます高まっております。特に、理容師・美容師が直接出張して美容サービスを提供する訪問理・美容サービスへの社会的ニーズが顕著に見られております。
他の自治体における事例を見ても、先ほどの御答弁でもありましたように、県内では宮古島市が既に実施をしており、県外でも複数の自治体が同様の取組を行っております。本市においても平成13年から17年までの間、訪問理・美容サービスを実施していたとの実績がありました。その際には利用者数の伸び悩みが原因となり、事業が廃止との答弁でもありましたが、当時と比較をいたしまして現在では高齢化が進み、在宅介護者や施設入所者に対するサービスニーズは以前にも増して高まっていると考えます。いま一度、本市においてこのサービスの内容を詳細に精査していただき、利用者のニーズに応じた柔軟な対応を図ることが重要かと思っております。
時代の変化に伴う新たなニーズを踏まえ、訪問理・美容サービスの再導入について御検討いただくことを改めて提案をいたしますが、本市の見解をお伺いいたします。

福祉部長
外出することが難しい高齢者や障がい者の方々が日常的に美容サービスを受けることができ、快適な生活を過ごすことができるものと期待されます。
本市におきましては、理・美容院に出向くことができない在宅の高齢者のみの世帯を対象に、平成13年度から訪問理・美容サービス(利用者負担1,000円)を開始いたしましたが、利用者が伸び悩み、平成17年度をもって事業廃止に至っております。
(2) 他自治体の取組事例について伺う

福祉部長
他自治体の取組事例につきましては、県内で宮古島市が65歳以上の寝たきり高齢者や身体上の重度の障がいのために理容院や美容院へ出向くことが困難である方に対し、出張移動費を補助する事業を実施しております。
また、中核市では、高知市などが、住民税非課税かつ要介護3から5と認定された方や身体障害者手帳1・2級の方で、理容院や美容院でサービスを受けることが困難な在宅の方に対し、理容師や美容師の出張費として利用券を支給する事業を実施しております。
(3) 本市として訪問美容補助制度事業の導入を提案するが見解を伺う

福祉部長
訪問美容補助制度事業の導入につきましては、サービスの運用方法や体制、財政面の課題などがあるため、利用ニーズや他自治体の事例を含め調査研究してまいります。

少し違った視点から提案をさせていただきたいと思います。
令和3年厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課より、出張理容・出張美容を行う者に対しての衛生の確保のための指導要領が通知をされていたかと思います。
今回御提案をさせていただいている訪問理・美容サービスの補助を導入することで、外出が難しい方々に対しての理・美容のサービスを提供する機会を増やし、外出が困難な方の生活の質が向上するのはもちろんであります。と同時に、いま一度出張理・美容のサービスを現在実施をしている資格保持者に対しても衛生管理の徹底など再度確認も行えるようになるかと考えております。利用者の健康と安全を守るために欠かせない要素であり、今回の訪問理・美容サービスの補助を導入することでサービスの質の向上だけでなく、利用者に対しても一層の安心感を提供できるかと考えているところであります。
今後、訪問理・美容サービスの補助導入が前向きに検討され実現に一歩踏み出していただけるよう、強く要望いたしたいと思います。
宮古島市と那覇市の訪問美容制度から考える
美容は、ただ外見を整えるだけではなく、人の心を支える「日常のセラピー」でもあります。とくに外出が難しい高齢者や障がいのある方にとって、訪問美容は生活の質(QOL)を大きく左右する支援のひとつです。
沖縄県の宮古島市では、訪問美容補助制度が現在も継続されています。年6回まで使える補助チケット制度により、1回の出張費2,000円を市が負担。離島ならではの交通事情や高齢者支援の観点から、地域密着型の生活支援の一環として運用されています。食事支援や通報システムなどと連携し、暮らし全体をまるごと支える福祉政策の一部として根付いているのが特徴です。



一方、那覇市ではかつて同様の制度が存在していましたが、平成17年度をもって廃止されました。都市部の那覇市では、民間による訪問美容サービスの選択肢が比較的多く、行政が直接補助する必要性が低いと判断された可能性があります。また、制度運用の効率や財政的負担の面で、他の福祉施策への集中が優先された背景もあると考えられます。
この違いは、福祉制度の優劣ではなく、「地域ごとの暮らし方」や「支援の届き方」の違いを物語っています。美容という一見個人的な営みが、制度によって人の尊厳を支え、心をほぐす力になる──そんな社会のかたちが、地域の姿としてあらわれています。
美容師として培ってきた経験のなかで、人が外見を整えることで、心にも変化が生まれる瞬間を数多く目にしてきました。そうした実感は、福祉政策に取り組む現在の原動力にもなっています。
外出が困難な方々が、日常のなかで美容を通じて自己肯定感を得られる社会の実現は、生活の質の向上にもつながります。美容の力を福祉の現場にもう一度届けたい──その思いを原点に、本市における訪問美容支援の再構築に取り組んでまいります。







